今まで、ゆるすといふのは傲慢なことだと思ってゐた。
ゆるすほうが上の立場で、ゆるしてやってゐるイメージがあるからだ。
また、「ゆるす-ゆるされる」というのは二元の世界のことであり、超越世界(非二元)では意味をなさないと思ってゐた。
ただ、
相手が気に食わない言動をしたとき、カッとならずに、その言動をゆるしたら、冷静に思ひやりをもって接せることができる。怒りを収めることができる。
ゆるしと怒りは双対なのだ。
怒りは他人ばかりではなく自分にも向かう。間違った、愚かな判断をして物事が駄目になるとき、自分(の判断力)に怒りを向ける。ここでも、自分の判断力をゆるしてしまえば、怒りが消える。
ゆるしは怒りを消す効能があるのだ。
人は何がしかに怒ってゐる。常に不満をもってゐる。
そのときに有効なのが「ゆるし」だ。